パーソナルトレーニングジムPRO.FITの池田です。
6月22日
熊本市東区の24時間ジムで18歳の男性の首がバーベルに挟まれ、意識不明となる事故が起きました。こういった「首が挟まれる事故」は日本でも毎年数件は起きていますが、その殆どが死亡事故となり、今回のように助かった事例は私が知る限り過去10年で初めてのケースです。
今回の事故が発生した「24時間ジム」という業種は、フランチャイズ形式で出店を増やして来ました。近年は利便性を上げながら低価格化が進むという、言わば過当競争の状況にあります。
こういった24時間ジムでは入会時に署名する契約書に「事故については自己責任」という文言が記載されており、ジム側に落ち度はないと言われると思います。
しかし、実際には入会時の器具の安全面取り扱いの説明があるわけでなく、今回のような重大な事故は起きるべくして起きたと言わざるを得ません。
そもそも、今回の事故のようにパワーラックでベンチプレスをやることにも問題があると考えられます。
特定の人が使用する「ホームジム」やトレーナーがサポートする「パーソナルジム」ならまだしも、
不特定多数の会員が利用する24時間ジムで人気種目であるベンチプレス専用の器材が無いというのは理解しがたく、
そもそもセーフティバーの上下の調整幅が広いパワーラックではベンチプレスに適するわけがありません。
それなりの規模のジムでパワーラックでベンチプレスをさせるということ自体が貧乏臭すぎてお話にならないレベルです…
あまりこういう事は言いたく無いのですが、「ジム」というものをよく理解していない素人さんがビジネス的にジム運営に乗り出すと今回のような悲惨な事故に繋がってしまいます。
本当に、今回の事故は命が助かって不幸中の幸いだったと思います。
24時間ジムは電気代等の運営コストが嵩むため夕方以降〜翌朝は
「スタッフ不在」
となり、そう言った部分で人件費等のコストを下げているのが実情です。
しかし、そのスタッフが不在のタイミングで死亡事故が起きてしまったら…
果たしてどこまで自己責任で済ませる事ができるのでしょうか。
ご家族を亡くしたご遺族のお気持ちを考えると、とても心が痛みます。
残念ながら
「高くて良いもの」
「安くてそれなり」
「安くて良くないもの」
この世に存在するのはこの3つだけです。
そう考えると、
「24時間利用可能です。安いです。安全面は自己責任です。」
というものはビジネス的には許されるのかもしれません…
しかし、安全性と低価格が天秤にかけられているのであれば、それはサービスとして成り立っていると言えるのでしょうか?
同じジムという形態でも、24時間ジムとパーソナルジムと大きく内容が異なります。
それぞれの金額には理由があり、安いものには安い理由があります。
改めて言いますが、安くて良いものはこの世に存在しないということは覚えておいて欲しいです。
世間の大多数である金額でしか物事を考えられない層は、「安くて良いもの」という幻を必死に探そうとしますが、そもそもそんな物はこの世に存在しませんので、はっきり言って探すだけ時間の無駄です。
こういう層に限ってクレーマー気質だったり…マナーが悪かったり…わがままだったり…お金の癖が悪かったり…理解し難い行動が目立つ傾向にあります。
私が変な人や面倒な人とあまり深く関わらないようにしているのも上記の理由が大きく、最初からどうでもいい面倒を避けるためです。
一度安いものを経験した後に良いサービスを選ばれた方は
「やっぱり良いものは時間も労力も無駄にならず快適だなぁ😁」
と、費やした時間やお金に意味を感じられると思います。
パーソナルジムで基礎をしっかりと学べば、24時間ジムに行かれたりしても安心ですよね。
しかし、たまにカウンセリングの後で
「お金がないからまずは24時間ジムに行きます」
というリアクションを頂くことがありますが、まずはその発想が間違っていることに気付くべきです。
パーソナルジムにカウンセリングに来られる方は少なからず
「自分を変えたい!人生を変えたい!」
というお気持ちがある方であると思います。
その現状を変えたいのに
「お金がないからまずは24時間ジムに行きます」
という考えに行き着くのであれば現状のループが永遠に続くだけですし、
その根っこにある経済的な苦しみや容姿のコンプレックスを解決することはできないでしょう。
確かに個人的な懐事情はあるかもしれませんが、パーソナルジムに通うということはそんな今までの自分を変える一つのきっかけになるものですから現実にばかり目を向けていては何も叶えることはできません。
逆に、思い切ってパーソナルトレーニングにチャレンジされた方はすぐに成果を出すことができますし、
容姿だけではなく人生まで変わります。
充実した雰囲気を纏えることで人間関係も変わりますし、その結果として生活が良い方向に大きく変わってしまう方も少なくありません。
人生の可能性は無限大ということを実感された方々も多いことでしょう。そんな方々を多数見守ってきました。
これから24時間ジムの運営はどうなってしまうのでしょうか?
まずは安全面を徹底するために24時間スタッフ常駐は必須、そして入会時と定期的な安全講習は必須だと思われます。
これによるコスト増はむしろ本来のサービスのために必要なものなので企業努力でどうにかしてもらうか、単純に値上げして本来の姿に戻るべきであると考えています。
事故に遭われた方の一日でも早い回復をお祈りすると共に、我々パーソナルジムの運営者も事故が起きぬよう再度安全面を徹底していきたいと思います。
これを機に、ジム業界の安全面の意識が上がることを願っています。