コロナが始まってもうすぐ3年。
そんな中でもパーソナルジムの新規出店ははどんどん進んでいます。
そしてその殆どが月額2万円〜3万円で通い放題を謳っています。
一回あたり1,000円のパーソナルジムも出てきました。
一度インスタグラムを開いてみてください。
ストーリーズにはこんな内容の広告が連続で出てくるはずです。

その他の媒体も同様で、この画像のように
「パーソナルトレーニングが月額3,500円〜から受けれる!」
という内容ばかりです。
もちろんこういった広告には落とし穴があって、3,500円で通えると思って実際にカウンセリングに行ってみると
「これは24回とか36回払いのローンを組んだ場合の価格です」
という説明があり、そこから強引にプッシュして契約を勧められるという流れです。
消費者としては3,500円で通えると思って行ったのに実際にはローンを組まされる…こういった方法をとるのはビジネスとして決して良いとは思えません。
(まあ、HPには小さく目立たないように※〜と書いてあるんですけどね)
そもそもカウンセリングという場で信頼できるジムかを見極めるはずなのに、ファーストコンタクトからこんな感じだと信頼関係が築けるわけないじゃないですか。
昨今の不景気から「ミスリードで騙すPR」が本当に増えたな、と感じています。
…私自身も似たような経験があります。
私は以前アンチエイジングで美容クリニックに行ったことがあるのですが、まずは
「全国大手のクリニックが安心かな」という思いと「ネット広告で5000円で施術を受けれる」
ということに惹かれてカウンセリングに行きました。
しかしカウンセリングを受けた後に出てきた見積もり金額は35万円という額でした。
私の場合、一箇所アンチエイジングの施術をしたら他の部位もやらないとバランスが悪くなるので5,000円ではなく15万円の施術、その他オプションをひっくるめて35万円という金額になってしまうそうです。
5,000円のつもりで行ったのに35万円という金額が出てきたので困惑していると、「今日この場で契約すると割引します」という条件を出されました。
それとともにローンも勧められ綺麗なカウンセラーさんから20分ほど強引な営業を受けました。
こういった営業手法に不信感を感じたため契約せず、地域密着型のクリニックで施術を受けることを考えました。
地域密着型のクリニックにカウンセリングに行ってみたところ強引な勧誘などは無く、医師自ら
「安い施術でも十分効果的ですよ」
「これも足した方が良いですが無くても結果はあまり変わりませんよ」
「ローンもあるにはあるけどカードも使えますので」
と、これまでの経験や良い面だけでなく色々と親切に色々教えてくださいました。
その場でオプション込みで申し込み結果的にも大満足でした。
最初は5,000円のつもりが実際に受けた金額は13万円位になりましたが、満足できる良いサービスを受けれたと感じていますし、ミスリードで騙すようなことも無く良い気分で終わることができました。
改めて、双方に信頼関係が築けないとダメだよな…
と実感した次第です。
不景気による影響
あと一つ不景気を感じることがあります。
ここ最近、月額2万円〜3万円で通い放題を謳うパーソナルジムが激増しています。
言い換えると一回あたり2,000円、3,000円でしか戦えないジムが多くなっているということです。
100歩譲って普通のパーソナルジムがコロナの不景気を乗り越えるためにやむを得ず価格を下げてその場を凌ぐのであれば理解できます。
金融機関などに借り入れをしている場合にはとにかく現金を回さないといけませんからね。
しかし最初から月額20,000円〜30,000円の通い放題パーソナルとして新規参入してくる人達は何を考えてるんだろう?と感じています。
そして、そういったパーソナルジムが集客を競争し合うことでパーソナルの最安価格が1,000円台まで落ちてしまっている…
安くて良い物は世の中に存在しないのに、安くて良いパーソナルトレーニングは提供できるのでしょうか?
では安くてそれなりでOK??それなりにできるのかな?
客層の違いと言ってしまえばそれまでですが言わせてください。
どんな業界であっても「価格に魅力を感じて選ぶ層」は絶対に固定客にはなり得ないため、店舗側はずっと新規客を獲得し続けなければならなくなります。
これが、安いはずの通い放題パーソナルジムが永遠に新規募集をし続けている理由です。
安くしても枠は埋まっていないんです。
そして、更に安いサービスを探されてしまわぬようそこでも競争が起きてしまい、市場価格がどんどん安くなっていくという最悪の流れに繋がっています。
過当競争もいいとこです。色んな意味で終わってるな…と思います。
本当に終わってるんです。健全に事業として成り立ちもしないし継続できるわけがないから…
現場を外注トレーナーで回すにしても時給は価格以上にはなりません。
つまり結果的にトレーナーの稼ぎもなくなり、副業しないと生活ができないトレーナーが量産されるので、通い放題パーソナルジムは自分達の首を絞めることに直結します。
6年間パーソナルジムをやってきて思うことは、価格に対するしっかりとした考えをお持ちで価値を大切にしてくださるお客様に通って頂きたいというこの一点のみです。
そうあるために、思考停止した価格やお得感での訴求ではなく、本質的なパーソナルトレーニングの質の向上に向き合ってきました。
頭で考えるからワクワクするものを創造できるし、何事も深く追求できるようになれると確信しています。
当ジムは
・パーソナルトレーニング(ダイエット/体づくり・生活習慣病・学童支援 等)
・IKETANプロテイン販売
・業務用トレーニングの販売・買取
・NSCA-CPTトレーナー養成校の運営
・大会運営(PRO.FIT Championship)
・ピラティススタジオの運営🆕
など、体づくりに軸を置いたスペシャリストを目指しています。
これからも市場とは違うベクトルで運営ができるよう頑張っていきたいと思っていますので、一度パーソナルトレーニングをご検討頂き気になる方にはカウンセリングに足を運んで頂けると嬉しいです。
追記
(12/17追記になります)
安いパーソナルジムが増え続けている、
これは逆に言うと、価格やレベルによってパーソナルジムを選べる時代になったとも言えます。
パーソナルトレーニングというものが富裕層だけでなく一般的なところまで知られてきおり、多くの方が選択できるという事は良いことなのかも知れません。
最初から本物のサービスや一番良いものを『求めていない人』もいるのは忘れてはいけませんね。
何となく、ゆる〜いパーソナルトレーニングを受けたい人も沢山いらっしゃるはずです。
それはそれで良いんではないでしょうか。
しかし、トレーニング業界全体を考えたときに本当にそれで良いのかと思うことがあります。
私はパーソナルトレーナーという職業の未来についても考えることがあるからです。
通い放題の安価なパーソナルジムが与える悪影響について再度考えてみました。
まず、価格が安いとトレーナー個人、お店としての成長やサービスが向上しにくいということが考えられます。
価格だけのサービスはお客様が定着せず、常に新規募集しなければならないことになり価格競争が激化します。
結果的に価格を落とすことしか出来ないパーソナルジムが増えるので、業界が少しずつ後退し廃れて行きます。
また、こだわるべき部分にもお金を掛けれなくなりジムの個性は更に無くなってしまいます。
正直、単純に価格を下げるのは誰でも出来ます。
これはジムオーナーの思考が停止しているとしか思えず、そのような思考に至るトレーナーは勉強や自己投資していないことが多いです。
私もこれまで価格設定を間違って失敗しているジムを多く見てきました。
良いものはそれなりの価格がするものです。
それが崩れると、ユーザー側は嬉しいですが生産者側は利益がなくなり、最終的に生産自体が出来なくなってしまいます。
つまり、それがトレーナーの場合は生活が出来なくなるということです。
生活が出来ない職業に誰がなりたいんでしょうか?
トレーナーという世界を誰も選ばなくなると職業としては終わりです。
パーソナルトレーナー業界からすると未来を潰す行為なので、私は通い放題パーソナルジムは業界悪だと思います。
こういった先を見通す力のない方が多く存在すると、未来のトレーナーの卵達の可能性を奪い足を引っ引っ張ることになってしまいます。
私は価値を大切にし違う次元で普遍的なサービスとしてお客様に提供して行こうと常に考えています。